非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説

非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説 日本経済・財政・税金
非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説

非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説

親から子へ会社を引き継ぐ際、
「身内だから安く譲ればいい」と考えていないでしょうか。

非上場株式には市場価格がないため、
思わぬ価格設定が贈与税の対象になることがあります。

事業承継で失敗しないためにも、適正時価評価の仕組みを理解しておくことが重要です。

非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説

非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説


  1. 📌なぜ非上場株式の譲渡で贈与税が発生するのか
  2. 📌贈与税認定が問題になる典型例
    1. 🔸親から子への株式譲渡
    2. 🔸兄弟間の株式移転
    3. 🔸役員や後継者への譲渡
  3. 📌税務署が考える「適正時価」とは
  4. 📌純資産価額方式とは何か
    1. 🔸基本構造
  5. 📌帳簿価格ではなく時価で評価される
    1. 🔸土地
    2. 🔸建物
    3. 🔸有価証券
    4. 🔸保険積立金
  6. ⚠️含み益が大きい会社ほど評価額は上がる
  7. 📌なぜ安すぎる譲渡価格が危険なのか
  8. 📌贈与税認定の流れ
    1. 🔸STEP1
    2. 🔸STEP2
    3. 🔸STEP3
    4. 🔸STEP4
    5. 🔸STEP5
    6. 🔸STEP6
  9. 📌贈与税以外にも問題が発生する
    1. 🔸譲渡側
    2. 🔸取得側
    3. 🔸会社側
  10. 💡純資産価額方式だけで判断しない理由
  11. 📌事業承継時に多発する誤解
    1. 🔸誤解1
    2. 🔸誤解2
    3. 🔸誤解3
    4. 🔸誤解4
  12. 📌適正時価を説明できる資料を残す
  13. 💡税務署が重視するのは「説明可能性」
  14. ❓よくある質問(Q&A)
    1. Q1. 非上場株式を額面金額で譲渡しても問題ないのでしょうか?
    2. Q2. 赤字会社の株式なら贈与税認定の心配はないのでしょうか?
    3. Q3. 親族間の株式譲渡で税務署はどこを確認するのでしょうか?
    4. Q4. 純資産価額方式と類似業種比準方式ではどちらが有利なのでしょうか?
    5. Q5. 株価算定書があれば必ず贈与税認定を回避できるのでしょうか?
    6. Q6. 非上場株式の譲渡価格を時価より高く設定した場合も問題になるのでしょうか?
  15. 📌まとめ
  16. 🔗関連記事
    1. 非上場株式と相続税対策は切り離せない
    2. 自社株評価額を下げる仕組みを知る
    3. 相続時精算課税との違いを理解する
    4. 信託型ストックオプションの税務リスクを知る
  17. 🔗税務・公的制度戦略:精算の章

📌なぜ非上場株式の譲渡で贈与税が発生するのか

上場株式であれば市場価格が存在します。

しかし非上場株式には市場価格がありません。

そのため税務上は、

  • いくらで売買したか
  • 本来いくらの価値があったか

を比較して判断します。

例えば本来1,000万円相当の株式を100万円で譲渡した場合、

差額900万円分の利益を買主へ無償移転した

と考えられる可能性があります。

この場合、税務署は売買ではなく「贈与」と認定することがあります。


📌贈与税認定が問題になる典型例

特に多いのが親族間取引です。

🔸親から子への株式譲渡

事業承継目的で、

「身内だから安く売ればいい」

と考えるケースがあります。

しかし税務上は第三者取引と同様に時価が求められます。


🔸兄弟間の株式移転

経営権整理のために株式を移動する場合でも、

著しく安い価格で売却すると贈与認定リスクがあります。


🔸役員や後継者への譲渡

後継者育成目的で株式を安く渡す場合も注意が必要です。

会社側に善意があっても税務上の扱いは別問題です。


📌税務署が考える「適正時価」とは

税務上の適正時価は、

実際の売買価格

ではありません。

相続税評価額をベースに算出されるケースが多く、

財産評価基本通達の考え方が用いられます。

評価方法は会社規模によって異なります。

主な方式は、

✅類似業種比準方式

✅純資産価額方式

✅併用方式

です。

その中でも中小企業や資産保有会社で重要になるのが純資産価額方式です。


📌純資産価額方式とは何か

純資産価額方式とは、

会社を解散した場合に株主へ残る財産価値

を基準に評価する方法です。

計算イメージは次のとおりです。

🔸基本構造

会社資産

-会社負債

=純資産

純資産

÷発行済株式数

=1株当たり評価額

という考え方です。


📌帳簿価格ではなく時価で評価される

ここが非常に重要です。

税務評価では帳簿価格をそのまま使いません。

時価修正を行います。

例えば、

🔸土地

購入時価格ではなく現在価値


🔸建物

評価額や残存価値


🔸有価証券

市場価格


🔸保険積立金

解約返戻金相当額

などが反映されます。


⚠️含み益が大きい会社ほど評価額は上がる

中小企業では、

会社は小さいのに株価が高額

という現象があります。

原因は土地です。

例えば、

  • 30年前に取得した土地
  • 帳簿価格500万円
  • 現在価値5,000万円

というケースがあります。

帳簿上では利益が見えません。

しかし純資産価額方式では4,500万円の含み益が評価に反映されます。

その結果、

株価が大きく上昇します。


📌なぜ安すぎる譲渡価格が危険なのか

税務署は、

売買価格

評価額

を比較します。

例えば、

評価額1株10万円

譲渡価格1株1万円

で売却した場合、

差額9万円が実質的利益移転と判断される可能性があります。


📌贈与税認定の流れ

一般的な流れは次のとおりです。

🔸STEP1

株式譲渡実行

🔸STEP2

税務調査

🔸STEP3

会社財務資料確認

🔸STEP4

適正時価再計算

🔸STEP5

差額部分を贈与認定

🔸STEP6

贈与税課税

という流れです。


📌贈与税以外にも問題が発生する

問題は贈与税だけではありません。

🔸譲渡側

譲渡所得課税


🔸取得側

贈与税


🔸会社側

株主構成変更に伴う税務確認

など複数の問題が同時発生します。


💡純資産価額方式だけで判断しない理由

実務では純資産価額方式のみで評価しない場合があります。

理由は、

利益を生み出す会社

資産を保有する会社

では価値の考え方が異なるためです。

例えば、

IT企業

コンサル会社

設計会社

などは利益価値も重要になります。

そのため、

類似業種比準方式との併用評価が使われることがあります。


📌事業承継時に多発する誤解

よくある誤解があります。

🔸誤解1

家族間なら自由に価格を決められる

→税務上は否


🔸誤解2

額面金額で売れば問題ない

→税務上は否


🔸誤解3

売買契約書があれば安全

→価格根拠が必要


🔸誤解4

会社が赤字なら株価はゼロ

→資産価値次第で高額評価


📌適正時価を説明できる資料を残す

贈与税認定回避で最も重要なのは、

価格の合理的根拠

です。

具体的には、

✅決算書

✅固定資産明細

✅不動産評価資料

✅株価算定書

✅税理士意見書

などが有効です。


💡税務署が重視するのは「説明可能性」

税務調査では、

価格が高いか安いか

だけではありません。

なぜその価格になったのか

を合理的に説明できるかが重要です。

第三者が見ても妥当と判断できる資料があれば、

贈与税認定リスクを大きく下げることができます。


❓よくある質問(Q&A)

Q1. 非上場株式を額面金額で譲渡しても問題ないのでしょうか?

A. 必ずしも問題ないとは言えません。

非上場株式では額面金額と実際の企業価値が大きく異なることがあります。特に長年利益を積み上げている会社や不動産を保有している会社では、額面以上の価値を持っているケースが少なくありません。

税務署は額面金額ではなく適正時価を基準に判断するため、額面での譲渡がそのまま認められるとは限らない点に注意が必要です。


Q2. 赤字会社の株式なら贈与税認定の心配はないのでしょうか?

A. 赤字だけで安全とは言えません。

純資産価額方式では利益だけでなく会社が保有する資産も評価対象になります。

例えば、

✅土地

✅有価証券

✅現預金

✅保険積立金

などが多い会社では、赤字であっても高い株価になることがあります。

「赤字だから価値がない」という判断は税務上では危険です。


Q3. 親族間の株式譲渡で税務署はどこを確認するのでしょうか?

A. 主に価格の妥当性と算定根拠を確認します。

税務調査では、

🔸決算書

🔸株主名簿

🔸売買契約書

🔸固定資産資料

🔸株価算定資料

などが確認対象になります。

特に「なぜその価格になったのか」を合理的に説明できるかどうかが重要なポイントになります。


Q4. 純資産価額方式と類似業種比準方式ではどちらが有利なのでしょうか?

A. 会社の内容によって異なります。

資産を多く保有する会社では純資産価額方式の方が高くなりやすく、利益成長型企業では類似業種比準方式の方が高くなる場合があります。

税務評価は会社規模や株主区分によって適用方法が変わるため、単純にどちらが有利とは言えません。

重要なのは自社に適用される評価方法を正しく把握することです。


Q5. 株価算定書があれば必ず贈与税認定を回避できるのでしょうか?

A. 必ず回避できるわけではありません。

株価算定書は重要な証拠になりますが、税務署は算定方法そのものも確認します。

極端に不合理な前提条件や時価修正漏れがあれば、再評価が行われる可能性があります。

株価算定書は「免罪符」ではなく、「合理的な価格決定を説明する資料」と考えるのが適切です。


Q6. 非上場株式の譲渡価格を時価より高く設定した場合も問題になるのでしょうか?

A. 状況によっては別の税務問題が発生する可能性があります。

一般的には著しく低い価格が贈与税問題として注目されますが、反対に著しく高い価格での取引も、法人税や所得税の観点から経済合理性を確認されることがあります。

特に同族会社間や親族間取引では、税務署は取引価格の妥当性を重視するため、「安すぎる」「高すぎる」のどちらも注意が必要です。


📌まとめ

非上場株式の譲渡では、市場価格が存在しないため適正時価の考え方が非常に重要になります。

特に親族間や同族会社内の譲渡では、著しく低い価格設定を行うと差額部分が贈与と認定される可能性があります。

純資産価額方式は、会社の時価ベースの純資産を基準に株価を算定する重要な評価手法です。土地や有価証券の含み益が大きい企業では想像以上に高い株価になることも珍しくありません。

事業承継や株式移転を行う際は、単純な額面金額や簿価ではなく、税務上の適正時価を意識し、合理的な評価資料を残しておくことが贈与税リスク回避の重要なポイントとなります。


🔗関連記事

非上場株式と相続税対策は切り離せない

事業承継では株式譲渡だけでなく、相続発生時の評価額も重要です。
納税猶予制度や遺留分問題まで含めて理解しておくと、将来の税負担やトラブルを大幅に減らせます。

👉事業承継税制と遺留分対策とは?相続で資産が減る理由と家族で守るための承継戦略


自社株評価額を下げる仕組みを知る

非上場株式の評価額が高いほど、贈与税や相続税の負担は重くなります。
純資産価額方式や会社資産の構成が評価額へ与える影響を理解することで、事業承継対策の全体像が見えてきます。

👉事業承継で自社株評価を下げる方法とは?非上場株式の仕組み・節税対策・納税リスクまでわかりやすく解説


相続時精算課税との違いを理解する

親族間で資産を移転する場合、贈与税だけでなく相続時精算課税制度との比較も欠かせません。
株式移転のタイミングによって税負担が大きく変わるケースがあります。

👉生前贈与はどちらを選ぶべき?暦年贈与と相続時精算課税の違い・改正ポイントと最適な使い分けを解説


信託型ストックオプションの税務リスクを知る

株式関連の税務では、評価方法や所得区分の違いによって税負担が大きく変わります。
非上場株式の評価と合わせて理解しておくと、株式取引全体の税務知識を整理できます。

👉信託型ストックオプションの税務トラブルとは?給与所得か譲渡所得かで税負担が激変する仕組みを徹底解説


🔗税務・公的制度戦略:精算の章

非上場株式の譲渡は投資というよりも、税務評価と財産移転のルールを理解する分野です。
贈与税・相続税・各種控除制度を正しく活用することで、資産を守りながら将来世代へ引き継ぐことができます。

👉税金の節税方法|確定申告・控除・損益通算で手取りを最大化する実務戦略を徹底解説

非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説

非上場株式の譲渡で贈与税になるのはなぜ?純資産価額方式による適正時価評価の仕組みを徹底解説

コメント

タイトルとURLをコピーしました