非上場株式の譲渡はなぜ危険?適正時価と売却価格の差で贈与税認定される仕組みを徹底解説
後継者へ会社を引き継ぐために株式を譲渡しただけのつもりが、
後から贈与税の問題になることがあります。
非上場株式は市場価格が存在しないため、
「いくらで売るか」よりも「本来いくらだったか」が重要になるのです。

非上場株式の譲渡はなぜ危険?適正時価と売却価格の差で贈与税認定される仕組みを徹底解説
- 📈非上場株式の譲渡で最も危険な落とし穴とは?適正時価と売却価格の差が贈与税認定を招く仕組み
- 🏢なぜ非上場株式は価格が分かりにくいのか
- ⚖️税務署は契約価格ではなく「適正時価」を見る
- 💰適正時価はどのように計算されるのか
- 🏠資産管理会社で贈与税認定が起きやすい理由
- ⚠️親族間売買ほど税務署が厳しく見る理由
- 📊実際に問題になるのは「安すぎる譲渡」
- 🔍税務調査で確認されるポイント
- 💡事業承継ではなぜ専門家評価が重要なのか
- 🏦会社の利益より純資産が重要になるケース
- 📌贈与税認定を避けるための基本的な考え方
- ❓非上場株式の譲渡でよくある疑問
- 📝まとめ
- 🔗関連記事:事業承継・自社株評価・贈与税対策を理解する
- 🔗税務・公的制度戦略:精算の章
📈非上場株式の譲渡で最も危険な落とし穴とは?適正時価と売却価格の差が贈与税認定を招く仕組み
非上場株式の譲渡は、一見すると単純な売買に見えます。
しかし実際には、
📌いくらで売ったか
よりも、
📌本来いくらの価値があったか
の方が税務上は重要になります。
特に中小企業の事業承継や親族間売買では、
- 父から息子へ株式を譲渡
- 兄弟間で株式を移転
- 親族へ経営権を引き継ぐ
- 後継者へ自社株を売却
といったケースが少なくありません。
このとき、
「100万円で売買した」
という契約書が存在しても、
税務署が
「その株は本当は1,000万円の価値がある」
と判断すれば、
差額900万円について贈与税が発生する可能性があります。
非上場株式では市場価格が存在しないため、
税務上の評価額
と
実際の売買価格
のズレが大きな問題になるのです。
🏢なぜ非上場株式は価格が分かりにくいのか
上場企業の株式なら、
東京証券取引所などで市場価格が毎日公開されています。
しかし非上場企業には市場がありません。
例えば、
- 家族経営会社
- 地方企業
- 資産管理会社
- 同族会社
などの株式は自由に売買されていません。
そのため、
「いくらが適正価格なのか」
を客観的に判断しにくい特徴があります。
しかし価格が分からないからといって自由な金額で売買できるわけではありません。
税務上は一定の評価方法が存在します。
⚖️税務署は契約価格ではなく「適正時価」を見る
税務調査で重視されるのは契約書の金額ではありません。
税務署が注目するのは、
📌適正時価
です。
例えば、
株式価値:2,000万円
売買価格:200万円
だった場合、
税務署は
「1,800万円の利益を買主へ与えた」
と考える可能性があります。
この差額部分が経済的利益として扱われ、
贈与税課税の対象になる場合があります。
つまり、
売買契約
=税務上認められる価格
ではないのです。
💰適正時価はどのように計算されるのか
非上場株式の評価では会社規模によって計算方法が変わります。
一般的には、
✅ 類似業種比準方式
✅ 純資産価額方式
✅ 併用方式
が使われます。
それぞれ、
- 利益
- 配当
- 純資産
- 保有不動産
- 現預金
などを基準に計算されます。
特に不動産を多く保有する会社では注意が必要です。
経営者本人は
「利益が少ないから価値も低い」
と思っていても、
会社が大量の不動産や金融資産を持っている場合、
税務評価額が想像以上に高くなることがあります。
🏠資産管理会社で贈与税認定が起きやすい理由
特に注意したいのが資産管理会社です。
例えば、
- 賃貸マンション保有
- 駐車場運営
- 不動産管理会社
などです。
会社利益は小さくても、
保有資産が大きいケースがあります。
例えば、
現金:5,000万円
不動産:1億円
借入金:3,000万円
であれば、
会社価値は大きくなります。
しかし親族間では、
「家族だから安く譲ろう」
となりがちです。
税務署はこのようなケースを重点的に確認します。
⚠️親族間売買ほど税務署が厳しく見る理由
第三者同士なら、
売買価格は市場原理で決まりやすくなります。
一方、
親子
兄弟
親族会社
などの場合、
価格操作が容易です。
例えば、
📌本来5,000万円の株式
↓
📌100万円で息子へ譲渡
ということができてしまいます。
これを認めると実質的な贈与による相続税回避が可能になります。
そのため税務署は、
親族間取引
=利益移転の可能性
として慎重に確認するのです。
📊実際に問題になるのは「安すぎる譲渡」
高く売る場合より、
安く売る場合の方が問題になります。
例えば、
適正時価:3,000万円
売却価格:2,900万円
なら大きな問題になりにくいケースがあります。
しかし、
適正時価:3,000万円
売却価格:300万円
であれば、
差額2,700万円が論点になります。
税務署は
「なぜその価格なのか」
を確認します。
説明できない価格差は危険です。
🔍税務調査で確認されるポイント
税務署は結果だけではなく過程も見ています。
主な確認項目は次の通りです。
📌税務調査で確認されやすい項目
- 株式譲渡契約書
- 株主名簿
- 株価算定資料
- 法人決算書
- 不動産評価資料
- 会計帳簿
- 株式譲渡の経緯
- 後継者選定理由
特に株価算定資料が存在しない場合は注意が必要です。
税務署は
「根拠なく安く譲渡した」
と判断しやすくなります。
💡事業承継ではなぜ専門家評価が重要なのか
事業承継では、
節税
経営承継
相続対策
が複雑に絡みます。
そのため、
税理士
公認会計士
事業承継専門家
などによる株価評価が重要になります。
専門家評価があるから絶対安全とは言えません。
しかし、
📌評価根拠
📌計算方法
📌時価算定資料
を残せるため、防御力は大きく向上します。
税務署への説明資料としても有効です。
🏦会社の利益より純資産が重要になるケース
中小企業オーナーが誤解しやすいのが、
「利益が少ないから株価も安い」
という考え方です。
実際には、
- 現金
- 不動産
- 有価証券
- 保険積立金
などが多い会社では、
利益以上に純資産が評価されます。
その結果、
赤字会社なのに株価が高い
というケースも珍しくありません。
事業承継では利益だけで判断するのは危険です。
📌贈与税認定を避けるための基本的な考え方
非上場株式譲渡で最も重要なのは、
「安く売らないこと」
ではありません。
重要なのは、
「なぜその価格になったのかを説明できること」
です。
そのためには、
📌株価算定を行う
📌評価資料を保存する
📌契約書を整備する
📌譲渡理由を明確にする
📌事業承継計画を残す
といった準備が必要になります。
価格そのものよりも、
合理的な説明ができるかどうか
が税務上の重要ポイントになるのです。
❓非上場株式の譲渡でよくある疑問
Q1. 親から子へ会社を引き継ぐ場合、1円で株式を譲渡しても問題ないのでしょうか?
原則として非常に危険です。
非上場株式には市場価格がないため、「いくらで売っても自由」と誤解されがちですが、税務上は適正時価が重視されます。
例えば、
📌株式の税務評価額:3,000万円
📌譲渡価格:1円
だった場合、税務署は
「実質的に3,000万円近い利益を子へ与えた」
と判断する可能性があります。
その結果、差額部分について贈与税課税が問題になることがあります。
事業承継だからといって極端な低額譲渡が自動的に認められるわけではありません。
Q2. 赤字会社なら株価はゼロに近いと考えてよいのでしょうか?
そうとは限りません。
非上場株式の評価では利益だけでなく、会社が持つ資産も重視されます。
例えば、
- 現金
- 不動産
- 有価証券
- 保険積立金
などを多く保有している場合、利益が出ていなくても株価が高く評価されることがあります。
特に資産管理会社や不動産保有会社では、
📌赤字なのに株価が高い
というケースも珍しくありません。
決算書の利益だけで株価を判断するのは危険です。
Q3. 親族ではなく役員や従業員へ譲渡する場合も贈与税認定は起こるのでしょうか?
起こる可能性があります。
贈与税認定は親族間だけの問題ではありません。
例えば、
📌後継者となる従業員へ極端に安く譲渡した
📌役員へ低額で株式を移転した
といった場合も、
「経済的利益の供与」
として税務上の論点になることがあります。
親族間取引は特に厳しく見られますが、低額譲渡そのものが問題になるため、相手が親族かどうかだけで安全性は判断できません。
Q4. 税理士に株価評価を依頼していれば必ず安全なのでしょうか?
必ず安全とは言えません。
税務署にも独自の見解があります。
ただし、
📌評価資料が存在する
📌計算過程が残っている
📌評価根拠を説明できる
という状態は非常に重要です。
税務調査では、
「なぜその価格になったのか」
が説明できることが重視されます。
そのため専門家による評価書は、株価そのものよりも説明資料として大きな意味を持ちます。
Q5. 株価評価額と実際の売却価格が少し違うだけでも問題になるのでしょうか?
必ずしもそうではありません。
実務上は、
📌合理的な範囲の価格差
と
📌著しく低い価格
では扱いが異なります。
例えば、
評価額3,000万円
譲渡額2,900万円
と、
評価額3,000万円
譲渡額300万円
では意味が全く違います。
税務署が問題視するのは、
「明らかに利益移転を意図しているのではないか」
と考えられるレベルの価格差です。
価格差の大きさだけでなく、譲渡理由や算定根拠も重要になります。
Q6. 将来の相続税対策として早めに株式を移転する場合でも注意点はありますか?
あります。
むしろ相続税対策として行う事業承継ほど慎重な対応が必要です。
相続税対策では、
📌株価が低いうちに移転したい
という考え方がよく使われます。
しかし、
- 株価評価を行わない
- 譲渡価格の根拠がない
- 契約書が不十分
- 事業承継計画が存在しない
といった状態では、後から贈与税認定のリスクが高まります。
相続税対策で行ったはずの株式移転が、結果として贈与税問題へ発展するケースもあるため、
📌株価評価
📌契約書整備
📌事業承継計画
をセットで準備することが重要です。
📝まとめ
非上場株式の譲渡では、売買契約書の金額だけでは税務上の安全性は判断できません。
税務署が重視するのは、
📌適正時価
と
📌実際の譲渡価格
の差です。
特に親族間売買や事業承継では、
- 株価評価
- 純資産価額
- 不動産保有
- 利益移転
が重要な論点になります。
適正時価より極端に安い価格で譲渡すると、差額が贈与と認定され、思わぬ贈与税負担が発生する可能性があります。
非上場株式の譲渡は単なる売買ではなく、相続税・贈与税・事業承継が交差する高度な税務分野です。
だからこそ、「いくらで売るか」ではなく、「なぜその価格なのかを説明できるか」という視点で準備することが、最も重要なリスク管理になるのです。
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