【SBMA患者が自宅でできるリハビリ・食事管理法】健常者に近い生活を目指すための実践ガイド
はじめに
球脊髄性筋萎縮症(SBMA/Kennedy病)は、ゆっくりと進行する神経・筋疾患です。
進行は緩やかですが、適切な対処を怠ると、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
この記事では、SBMA患者が自宅で実践できるセルフリハビリと食事管理法を、自らの実体験を交えて詳しく解説します。

セルフケアが最重要
SBMAの進行と自宅リハビリの必要性
SBMAは筋力低下、嚥下障害、構音障害、ふらつきなどが主症状です。
しかし、進行はゆっくりなため、適切な運動・リハビリ・栄養管理により生活の質を長期間維持することが可能です。
実際、私も発症から10年以上が経過していますが、今でも歩行や食事に大きな制限はありません。その秘訣は、日々の小さな積み重ねにあります。
自宅でできるセルフリハビリ・運動メニュー
1. 転倒防止のためのバランス訓練
- バランスボード上での静止練習(1日5分×2回)
- 足底感覚と体幹の安定性を維持。
- 転倒リスクの軽減に貢献。
2. 呼吸筋・嚥下筋トレーニング
- 発声練習(「あーえーいーおーうー」の5音を5回ずつ)
- 舌根の上下運動(5回×3セット)
- ストロー吸引(細いストローで飲水)
- 嚥下性肺炎の予防に効果。
3. 筋持久力維持の軽運動
- 踏み台昇降(高さ10cm・1分間)×2セット
- チューブトレーニング(胸・肩・背中)※強度は軽め
- バーンマシン(1日1分・座位でも可)
- 上肢の機能維持と肩関節可動域の確保。
4. ストレッチ・関節可動域訓練
- 朝・夜のストレッチ(各10分)
- 股関節、膝、足首、肩、頸部の可動域を保つ。
- 痛みが出ない範囲で継続が鍵。
リハビリ実践のポイント
- 無理は禁物。「疲れたら中止」が原則。
- 必ず体温・脈拍・血圧をチェック(めまいや動悸の予防)。
- 週1回は“完全休養日”を設定し、オーバートレーニングを防止。
SBMA患者向けの食事管理・栄養戦略
栄養の基本方針
- 高たんぱく・適度な脂質・抗酸化ビタミン(C、E)を意識
- 糖質の質に注意(精製糖質よりも全粒穀物や野菜由来を)
毎日取り入れたい食材
- 鶏むね肉(脂肪少なく高たんぱく)
- 納豆・豆腐(大豆由来の植物性たんぱく)
- サバ缶・イワシ(オメガ3脂肪酸で抗炎症)
- ブロッコリー・ほうれん草(ビタミンB群・ミネラル)
- バナナ・りんご(嚥下しやすくエネルギー源)
嚥下機能が落ちてきた場合の工夫
- 具材を小さく刻む
- トロミ調整食品を活用(市販のとろみ剤)
- ゼリーやムース食で無理せず栄養補給
食事記録のススメ
- 毎日の体調・食事内容をスマホやノートで記録
- タンパク質摂取量(体重×1.0〜1.2g/日)を目安に
- 疲れやすい日はプロテイン活用もOK
まとめ
SBMA(球脊髄性筋萎縮症)は治療が難しい疾患ですが、適切なセルフケアで健常者に近い生活を長期間維持することが可能です。自宅でできるリハビリと食事管理を毎日少しずつ続けることで、生活の質(QOL)を大きく左右することができます。
今後も自身の体験をもとに、役立つ情報を発信していきます。
同じ病気と向き合う方々の参考になれば幸いです。

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